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フクダーダのいっぱいいっぱいの日々

ドラゴンクエストYOUR STORY

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いやあ、どうしよう、結論から言うと「評価なし」。だって完結してないんだもの。だから良い悪いも面白いつまらないもない、評価のしようがない。

褒められるところは3Dはまあまあだったのと佐藤健と有村架純が声優頑張ってたという二点。ここは良かった。

方々から突っ込まれてる、フォントや曲がシリーズ混在してるのはシリーズ集大成としての側面もあるし、ゲレゲレの再会が再会になってないとかビアンカ温泉宿の娘じゃなくてさすらいの魔女ってなにとかグランバニア出てこないとか、オチから逆算すれば確かに整合性は保たれてる。
そもそもドラクエ5を原案とした映画であって、ドラクエ5そのものの映画化ではないというのも確かにそう。
でもそれじゃあ、誰に向かって作ったものなの? 劇場に足を運んだドラクエが大好きでドラクエを人生から切り離せないような人達に、ドラクエのようなものを観せてなんとする?

そもそも物語として完成してない。ドラクエ5をあくまで題材止まりにしておきながら、物語の根幹に関わる多くの伏線をドラクエ5をプレイしたことのある観客の記憶に丸投げしている。冒頭にドット絵を出したこともこのスタンスからブレている。
ドラクエ5そのものの映画化であればそれもギリありかもしれない。しかしドラクエ5はあくまで題材という位置づけならば、(どんなに少数であろうが)ドラクエ5未プレイの観客でも噛み砕ける最低限の情報は必須。4コマ漫画で言えば、1,2コマ目なしで3,4コマ目だけをいきなり出したようなもので、文字通り「話」になっていない。
だから「評価なし」。

一番萎えたのがオチの理由。ゲーム(映画)のピークにウイルスを仕込んだ理由がゲームばかりやってないで現実に戻れという単なるハッカーの

いやがらせ

ウソでしょ…
ミルドラースの代わりに出てきたラスボスがこんな矮小で良いの? 結果として物語の起伏、構成も極めて弱くなる。あの瞬間の劇場の盛り下がり方、気まずさ、シラケ具合、今思い出しても身体の掻けない所が痒くなる。
さらに前述した、(ドラクエ5そのものではなく)ドラクエ5のようなものに落とし込んだがために、ターゲットとギミックがちぐはぐになってしまい、ドラクエそのものを求めている観客へのメタ構造が崩壊している。
極めつけが、そのいやがらせに被せた問題提起への主人公の回答がゲームに熱中した時間、そのキャラクター達は確かに僕の中にいた、今も僕の中に生きてる。という…

古すぎる

30年以上前に使い古されてカビすら死滅してる。
しかも解決したのは主人公ではなく、スライムに偽装したアンチウイルス…カタルシスの欠片もない。

と、ここまでが自分なりに俯瞰しての感想で、以下がドラゴンクエスト、特にドラクエ5大好き人間として、なにより認められないNG。それ故に前述の突っ込みどころからは敢えて外した。

「子供は双子ではなく勇者の息子のみ」

という変更点。ここだけは抑えて欲しかった、ていうかマスト。大袈裟かもしれないが、この瞬間俺の中ではドラクエのようなものですらなくなった。もはやドラクエの紛い物。この一点で監督及び製作者がいかにドラクエをなんとも思ってないかがよく分かる。
魔王を倒すのに勇者は絶対条件、でも勇者だけで勝てるわけじゃない。勇者だけで旅は続けられない。その具現としての勇者の息子と対をなす双子の娘。勇者が対等に背中を預けられるもう一人の勇者。それはドラゴンクエストが2から連綿と受け継いできた伝統、冒険には仲間がいるという究極の形。
だからドラクエ5はあくまで題材といっても、ここだけは残すべきだった。特にドラクエ5はモンスターすら仲間にする最初のタイトル(厳密には4でドランが仲間になるけど)。

仲間こそドラゴンクエストなのだから。
  1. 2019/08/22(木) 15:45:07|
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